酔句会短信            
                 平成27年7月

 7月の東京銀座午後5時の句会。
街はまだ明るく、一日がかなり長く感じられます。
この季節朝も早く明けますが、俳句の世界では夏の夜の短さを惜しんで「短夜」(或いは「明易し」)が季語として使われます。
この言葉は万葉の時代からも使われたそうで、人を待ち焦がれる気持ちなどの想いもこめられたそうです。
今回の句会の兼題となりました。

 七十年戦なき夜の明け易し 花筏

 短夜や薄暮の珈啡(カフェ)でブラームス 司馬楽

 鳩が鳴く老いていや増す短夜や 俊夫

 明け易き名簿の名前二つ消す たがや

 明け易し貨車の汽笛の短くて 潔


 この時期のスタミナ源といえば、鰻。
値段も高くなり過ぎてなかなか手に入りにくくなってしまったのですが、お土産には一番。
家へのお土産は「いえづと」と言うと、句会で聞きました。

 家土産に迷う鰻のかほりかな 花筏

 鰻重や昭和は遠くなりにけり 伸彦

 からみあう打たれる前のうなぎかな 和生

 ようやく梅雨が明けて、緑が目に染みる季節となりました。
緑陰でスヤスヤ眠る赤ん坊、プールでのびのび泳ぐ子供達、いよいよ真夏の季節の到来です。

 万緑や若狭の狐は森の神 潔

 緑陰や乳母車には眠り姫 たがや

 背泳ぎや飛行機雲を追いかけて 賢

 盆の僧珈啡の香を纏ひくる お軽

夏に祭りは欠かせません。
短冊に願いをこめて、或いは祭り太鼓に想いをはせながら、今年の夏も過ぎて行きます。

 七夕の願う短冊長寿かな ひろ子

 居残りの童に遠く祭り笛 お軽
                         (賢)


 
2015.07.21 / Top↑
まとめ