酔句会短信
          平成27年5月句会

 甘酸っぱく、なぜか青春の思い出を甦らせるサクランボ。この時期の一番人気の果物です。サクランボにはいろいろな思いがあるようで、今回の句会には多彩な句が寄せられました。
 白玉に紅一点やサクランボ 司馬楽
 サクランボ三粒置かれて道祖神 お軽
 桜桃の赤き実並べ絵手紙に ひろ子
 茎踊る白磁の中のサクランボ 伸彦

 今回の句会のもうひとつの兼題は「香水」。香水が夏の季語なのは汗をかく季節だからでしょうか。ただ、俳句を見ると香水は恋愛の素敵な小道具のような気もします。
香水や欠かせぬ武器と悪女知る たがや
プアゾンの香もビタースィートの同期会 俊夫
どこか嘘化粧と笑みと香水と 伸彦
病む人の香水の香ぞ仄かなる お軽
残り香の画廊や小さき銅版画 潔

 5月は人によってはメランコリーな季節でもあります。新入生や新入社員は生活や環境の変化についていけず、一般の人も季節のあまりにも急激な変化にとまどうこともあるようです。俳句は心と対話するとき役にたちます。
飢えた子の見つめる瞳こどもの日 たがや
置き場所に困る五月の訃報かな 花筏
夕暮れや誰も居ぬ部屋金魚鉢 賢
百日紅どぜう屋に傘忘れ来て お軽

 そんな心の霞をふきとばすようにさわやかな風が吹いてきます。新緑を洗う薫風に体を委ねている幸せはやはりこの季節のもの。まもなく梅雨。
 みどり児の指やわらかに風薫る 英治
 万緑のなだれる海の昼寝かな 和生
 多摩川や光る水面に鮎跳ねる 司馬楽 
                           (賢)
2015.05.26 / Top↑
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