酔句会

酔句会  9月

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酔句会短信   9月号
 今年の仲秋の名月は9月27日。酔句会の月見句会はその日に先立って16日、清澄庭園にて開催されました。紀伊国屋文左衛門屋敷跡と伝えられるこの地には広大な池が広がり、岩崎家が建てた涼亭が水に映えます。本来なら新月を愛でて酒を酌み交わすはずだったのですが、生憎の雨。それでも心のなかの月に酔いしれます。
 月の宴清澄の池に集いけり 司馬楽
 塔の灯と月を映して池の水 たがや
 独り身の話し相手のお月さま 昭一

 涼亭をとりまく水もいつしか深い藍色に染まり、句会も熱を帯びてきました。水はまさに季語「秋の水」の言葉どうりひんやりと澄み切っています。添水は鹿威しのこと。果物は水を含んで豊かに実ります。
 写経の手ふと止めさせる添水かな 俊夫
 柿たわわ水面に映り尚たわわ 伸彦
 故郷の水の香したる梨を食う たがや
 胡弓弾く指のマニュキア風の盆 潔

 ようやく天気も安定してきましたが、夏から秋にかけての激変は今までにないものでした。政治や沖縄問題をめぐる状況とあわせ一カ月以上も嵐が続いた日本列島でしたが、心の安定も勿論必要です。
 積乱雲竜巻起こし暴れ去る ひろ子
 フェンス越しやんま飛び交う基地の町 賢
 ただひとつ鳴りて陽の射す秋の雷 お軽
 今朝散歩昼寝背泳栗御飯 花筏

 ようやく本格的な秋が訪れたようです。澄み切った空を見ると虫や鳥のように自由に飛行したいと思います。いや、我々は俳句という心の翼をもっているのかもしれません。
 戦史読み図書館出れば初アカネ 和生
 初秋の曼陀羅の朱や色深き 潔
 去る燕白シャツ高く干しにけり お軽
                        (賢)


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