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酔句会通信
                           酔句会幹事・武田伸彦

俳句は、世界で最も短く、日本人の呼吸と生活のリズムに合った短詩型文学です。
その中に、日本語の宝石とも言われる「季語」を一つ取り込み、作者の感動した事、感じた事を表現するにふさわしい「レトリック」を見つけ出し、17文字に纏めるのが俳句だと私は思っています。
俳句は、自己表現の場でもあり、その手段にする事が出来ると言う充実感が、俳句創作の尽きない魅力の源泉です。
俳句を作り始めると、見える物、聞こえる物、触れるもの、匂う物など、この世で出会う全てに好奇心が湧き、興味と関心が旺盛になります。
俳句を作り続ければ、日常生活が楽しく生き生きして来ます。
俳句のある生活は、誰の前にも平等に開かれており、男女、年齢、 職業、学歴などによって差別される事の無い世界です。
たった17文字に込められた「心のかたち」、「魂のかたち」、シンプルでぜい肉をそぎ落とした言葉の中には輝きがあります。そして、季節と共に年齢を重ね、しなやかに生きる事が出来ると思っています。
酔句会には、老若男女15名の会員が在籍しており、それぞれが青年の如く元気で若々しく、しなやかに生きています。
それでは、昨年の9月酔句会、11月酔句会、そして今年の新年酔句会、合わせて160句を、高濱虚子に師事され「ホトトギス」所属の著名な女流俳人で、日本伝統俳句協会理事も務めておられる先生に観て頂きました。

先生から、選句するに当たって、下記のようなお手紙を頂きました。

「理が勝っている句が多いのは、仕方ありません。余韻の残る句、説明的で無い句が、佳句と思います。それと私は季題を大切にしていますので、無季は選句の対象外としています。
特選とした句は、訴えるものを持っていると感じた句です。頭で作らない事。沢山作っているうちに、ひょっと佳句が出来るものです。おはげみ下さい。」

それでは、先生が選ばれた特選句からご覧いただきましょう。

特選
「秋風や斜めに渡る交差点」たがや
「冬帽の女(ひと)足音を立てず過ぐ」お軽
「おみくじは今年も引かず初詣」たがや

佳作
「一人旅ゆく先々に秋の風」たがや
「病癒え病院の庭に百日紅(さるすべり)」花筏
「蔓引けば雨をこぼすや烏瓜」お軽
「短日や坂の角より暮れかかる」お軽
「短日やあっけからんと暮れにけり」たがや
「夕暮れや芒に光残りけり」けん
「路地にまで光あふれて初詣」けん
「半世紀同じ社(やしろ)に初詣」たがや
「通学路白菜畠今日も晴れ」昭一
「朝夕に水仙の芽を見に通ふ」けん

予選
「初詣おみくじ見せ合い春近し」一枝
「白菜を漬ける母の手赤かりし」司馬楽
「帰省して白菜刻む音高く」けん
「「蚯蚓(みみず)鳴く昭和の妻の針仕事」お軽
「ひまわりに見据えられ猫退散す」昭一
「短日や愛猫相手に独り酒」伸彦
「短日や今日も日記は白いまま」たがや
「宇和海の極早生みかん皮うすき」和生
「宿坊の勤行の朝菊膾(なます)」花筏
「風骨も定まる事なし年惜しむ」俊夫
「ラジオ聞きまどろむ外は秋の風」ひろ子

今回は、青木克博さん、吉田賢策さん、露木和子さん、真子昭一さんの句が、先生から
評価されました。今回選ばれなかった者も、先生が仰っているように、沢山作っているうちに、ひょっと佳句が出来るそうなので、めげずに精進致しましょう。


2017.02.15 / Top↑
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まとめ
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